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「…私、無理かな…才能とかそういうの皆無だし…」
暗くなる私にラフが声をかける。
「だから、そういう考えに走るなよ~まったく、どうしてそうネクラなのかね~」
「…だって私…ネクラだもん」
その言葉に黙り合う二人。
…でも…ダメだよね…
こんな風に考えてても仕方ない。
どうせならもっと前向きに考えないと…!
…そうだ!仮に適性無しだったとしても…
それってつまり、化け物と戦わなくていいって事だよね?
こき使われるのは…確かに辛いけど…
でも死ぬ程の事でもない。
あんな化け物と戦っていたら、いくら命があっても足りなそうだし…!
うん、そうよ!
そう考えれば…こき使われる位どうって事…
その時、目の前から声をかけられる。
「よぉラフ!元気してっか?!」
二人して顔を上げて前を見る。
そこには手を振っている男が立っていた。
男は上半身には何も着ておらず、首に茶色の毛皮を巻き付けているだけだ。
さすがに下は青いズボンは履いているがボロボロだ。
男の頭はハゲていて毛がなかったが年寄りという訳ではなく、むしろ筋肉が盛り上がっていてムキムキだ。
男が目の前に迫るとその迫力に圧倒される。
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