【Hard work for live】

2/36
前へ
/693ページ
次へ
私達は再び廊下を歩き始めた。 「…で、どこに向かっているんだっけ?」 私がラフにそう聞く。 さっきのブルートの件が尾をひいているのか、私の口調は少々険しい。 それをなだめるようにラフは答える。 「ああ、仕事だよ。エドガー兄さんに頼まれた」 先ほどのエドガーとの会談の最後に出た話題。 現実世界にまた疑似生命が発生したという物だ。 「それもかなりの期間、現実世界にいる。餌を調達するだけとは思えない」 エドガーはラフにそう言った後、更に続ける。 「私が自ら調査してもいいんだが、こういう仕事はお前が好きだろうから任せる事にした。…それにお前だ」 ラフから視線を離し、私を見る。 「え?私ですか?」 「そうだ。適性のほとんどは仕事や戦闘中に出現している。 こちらも人手が足りなくてな、どうせなら早急に出現してもらいたいのだ」 「あの…でも私、仕事といっても特にできる事…」 「無いとしても行ってもらう。 まぁたまに危険が及ぶ時があるかもしれんが、その時はラフに頼るんだな …下手すれば死は免れない。気をつけるんだな」 そう言われ、私はラフを見る。 私の生き死には…コイツにかかっているというのか…
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

185人が本棚に入れています
本棚に追加