185人が本棚に入れています
本棚に追加
私達は再び廊下を歩き始めた。
「…で、どこに向かっているんだっけ?」
私がラフにそう聞く。
さっきのブルートの件が尾をひいているのか、私の口調は少々険しい。
それをなだめるようにラフは答える。
「ああ、仕事だよ。エドガー兄さんに頼まれた」
先ほどのエドガーとの会談の最後に出た話題。
現実世界にまた疑似生命が発生したという物だ。
「それもかなりの期間、現実世界にいる。餌を調達するだけとは思えない」
エドガーはラフにそう言った後、更に続ける。
「私が自ら調査してもいいんだが、こういう仕事はお前が好きだろうから任せる事にした。…それにお前だ」
ラフから視線を離し、私を見る。
「え?私ですか?」
「そうだ。適性のほとんどは仕事や戦闘中に出現している。
こちらも人手が足りなくてな、どうせなら早急に出現してもらいたいのだ」
「あの…でも私、仕事といっても特にできる事…」
「無いとしても行ってもらう。
まぁたまに危険が及ぶ時があるかもしれんが、その時はラフに頼るんだな
…下手すれば死は免れない。気をつけるんだな」
そう言われ、私はラフを見る。
私の生き死には…コイツにかかっているというのか…
最初のコメントを投稿しよう!