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その願いは叶う事はない。
でも彼女は叫び続ける。
命尽きる、その時まで…
叫ぶ事でその願いを世界に焼き付けるように…
…あのバカどもをこの手で握り潰してやる!
すぐに殺してたまるか!
その顔を恐怖で歪めさせながらゆっくりと虐め殺してやる!
死ね!死ね!死ねぇぇぇぇ!
…その時、彼女は聞いた…
…イイカンジョウダ…
え?何?
誰かの声?
私は閉じた目をゆっくりと開ける。
…そこにいたのは…何か…不思議な物…
それは黒い球体に白い羽が生え、宙に浮いてるのだ。
私は一瞬、それが天使に見えた…が天使ではない。
ニンマリと赤い口で笑うそれが天使であるはずがない。
…ああ、脳にウジでも湧いたか?
こんな変な物を見るなんて…
これって何な…
それ以上の思考は続かなかった。
それ以上考える前に、球体が口を大きく開け…私を飲み込んだ。
…跡形も残らず消える私。
…ウマイ…
…球体は満足そうにそう呟く。
だが球体は気付いていなかった。
自らを蝕みつつある憎悪に…
そう、彼女の憎悪は彼女が死んだ後も消えずに溢れ続けていたのだ。
彼女は死んだわけではなく、新しく生まれ変わったのだ。
…狂気として…
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