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少年はテーブルに並べられたそれらをもう一度確認し、納得がいったのか一度頷くと、そそくさと部屋を出た。
廊下を抜け、ある部屋の前で少年は足を止める。
そして、ドアと向き合うとコンコンとノックを入れる。
「おはようございます、朝ご飯できましたよ。」
「……あと、半日~……」
少年の言葉に、閉められたドアの向こうから女性の声が聞こえる。
てか、5分とかじゃなく半日ですか!?
ぶっ飛んでますね。
「それじゃ、朝食じゃなく夕飯になってしまいます。いいから、起きて下さい」
「ちぇ~……わかったわよ、起きるわよ」
少年はその言葉を聞くと、向きを変え、さっきの朝食の並んだテーブルがある部屋へと戻っていった。
たぶん、このやり取りはいつものことなのだろう。
部屋の端ではテレビが朝のニュースを伝えていたり、“今日の占い”を伝えていたりしている。
少年が席に着くと同時に、廊下から一人の女性が姿を現した。
「おはよー……。」
「おはようございます。早かったですね」
眠そうな顔で挨拶をする彼女に、少年は挨拶を返す。
さっき少年が呼びに行ったのはこの女性のことだろう。
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