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「はっ、マヌケだな。また転んだのか?随分、派手に怪我したみたいだな」
「こ、これは階段で足を滑らせて……」
無理して笑うのは嘘ついてる証拠だ。
誰かに突き落とされたんだな。
「もういい、このまま帰るぞ。カバンは取ってきてやるから、ここにいろ。」
「あ、でも!お兄ちゃん!」
呼び止める声を無視して保健室を出た。
ぶっ殺す。
あいつに手を出した奴は全員だ。
ガラッ
教室に入り真っ直ぐ自分の席へ向かう。
「智司、妹ちゃんどうだった?」
席につき荷物をまとめていると、前の席に座るクラスメイトの北野が声をかけてくる。
「大怪我。俺の妹に傷でも残ったらどうしてくれるんだか。ぶっ殺してやらないと。」
にっこり笑って北野に答える。
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