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「……」
嵐のように騒いで消えていった奈津に手を振っていて、ふと気づく。
私……今、北川と二人っきり?
「ごめんな?せっかくの昼休みに……」
振り返り北川を見るとダンボールのガムテープを剥がし中から本を取り出している。
「あ、えっと……特に用はなかったから大丈夫。」
「そっか」
「うん……」
シーン
なに、この沈黙。
恥ずかしいんだけど。
そんな沈黙を破ったのは北川だった。
「あのさ……俺、清水のこと好きなんだ」
「…………」
え……?
え?
……何を言い出すんだコイツは!
顔の温度を上がるのを感じ、慌てて顔を逸らす。
「い、意味わかんないっ!!」
そう叫んで、図書室を出ようとする私の手を北川が引っ張った。
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