276人が本棚に入れています
本棚に追加
シャッ
締め切っていたカーテンを開く。
「……おい」
規則正しい寝息が聞こえる。
全く、こいつは。
どれだけ心配したと思っているんだ。
頭に巻かれた包帯が怪我の証拠だろうな。
「誰にやられた?教えろよ。」
「…………」
聞こえるのは寝息だけ。
寝ている人間に話し掛けても返事がないのは当たり前だけど……
頼むからさ、俺の知らないとこで傷ばっかつくんなよ。
眠る妹の頭をそっと撫でる。
「……ン…………」
パッ
慌てて手を引っ込め、ゆっくり目を開く妹から顔を逸らす。
「お、お兄ちゃん!?」
ガバッ
俺の存在に気付いて驚いたように飛び起きる。
最初のコメントを投稿しよう!