恋去る

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シャッ 締め切っていたカーテンを開く。 「……おい」 規則正しい寝息が聞こえる。 全く、こいつは。 どれだけ心配したと思っているんだ。 頭に巻かれた包帯が怪我の証拠だろうな。 「誰にやられた?教えろよ。」 「…………」 聞こえるのは寝息だけ。 寝ている人間に話し掛けても返事がないのは当たり前だけど…… 頼むからさ、俺の知らないとこで傷ばっかつくんなよ。 眠る妹の頭をそっと撫でる。 「……ン…………」 パッ 慌てて手を引っ込め、ゆっくり目を開く妹から顔を逸らす。 「お、お兄ちゃん!?」 ガバッ 俺の存在に気付いて驚いたように飛び起きる。
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