恋去る

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コンコン ガチャ 「珠子、入るよ……ああ、智司もいたのか。」 珠子の部屋で珠子の勉強に付き合っていると部屋に親父が入ってきた。 「パパ、おかえりなさい。今日は、お仕事早く終わったの?」 「おかえり。」 「ただいま。珠子、怪我の具合はどうだ?もし痛むようなら病院へ行ってもいいんだぞ?」 珠子の側に寄り親父は心配そうに珠子の頭を撫でる。 「大丈夫よ、パパ。心配してくれてありがとう。」 親父の撫でる手をとって微笑む珠子。 イライラする。 珠子に触れるなよ。 珠子も珠子でこんな奴にそんな顔見せるな。 「ごめん、父さん勉強中なんだ。」 出て行けよ。 「あ、ああ……邪魔したな。」 机に広がる勉強道具を見て親父は部屋を出て行った。
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