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ガラッ
「智司っ!!」
息を切らして、教室へ駆け込んできた北野。
「……おはよう、北野」
「おはよう、北野くん。慌ててどうしたの?」
珠子は戸惑いながら、北野を見る。
「お前は気にすることない」
北野が何を聞きたいか察しはついてるんだ。
珠子が気付かないように、わざわざ動いたのに北野が喋ってしまったら全て台無しだ。
「相原が入院したらしいけど、まさかだけど……関係ないよな?」
ガタッ
「お兄ちゃん……」
突然、立ち上がり真っ青な顔で俺を見る珠子。
「俺は、何もしてない。」
そんな珠子を見上げて笑って見せる。
俺がこうやって笑うと決まって珠子は……
「っ……ごめんなさい…………」
泣くんだ。
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