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「で、今回はどういう手で?」
「……」
教室から出て行った珠子を見送り北野は俺の前の席に座る。
「珠子に好意を持ってるとかいう男を使っただけだ。珠子に怪我をさせたって奴を匿名で教えた。ただそれだけ。」
勿論、その男が感情的になるとすぐに手が出るような奴で、何度も暴力事件を起こし停学をくらっているのは知っていた。
「はは、さすが。でも、今回ばかりは妹ちゃん大体、気付いちゃったみたいだね。」
誰のせいだと思っているんだ。
「どういうつもりだ?」
「別に。入院っていうのはさすがにビビっただけ。」
ガタッ
「あっそ。」
「どこ行くんだよ?授業始まるぞ?」
立ち上がる俺を見上げ北野は首を傾げる。
「珠子を探しに行く」
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