恋去る

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「お兄ちゃん……」 そう呼んだかと思うと珠子の唇が俺の唇に触れた。 !? 「好き、大好きよ……兄妹としてじゃない!」 珠子の目から溢れる涙。 俺の妹は泣き虫で……虐められるような内気なやつで…… 俺のことを絶対に好きにならないって…… そう思ってた……。 珠子。 お前もバカだよ。 俺に惚れるなんて。 なんで、俺なんだよ。 「私……キモいでしょ、引いたでしょ。」 そう言って、笑った珠子は悲しみを隠しているようだった。 グイッ 無理して笑った珠子の腕を引き、再び唇を重ねる。 「おにいっ……」 唇を重ねながら、珠子を押し倒す。 ドサッ 頭ん中どうかしてる。 狂ってるよ。 俺もお前も。 兄妹なんだぞ!
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