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教室に戻ると授業中で少しのざわつきの中、俺と珠子は席についた。
机の中から教材を取り出し、目の前の空席に視線を移す。
目の前の……つまり、北野の席だ。
どうせ、また女と部室か空き教室だろ。
どうでもいいけど……
隣の席の珠子は慌ててノートをとっている。
黒板にはどんどんとチョークで板書されていく。
珠子は中学まで、ずっと地元の公立学校に通っていた。
高校進学にあたり、急に俺と同じ私立へ行きたいと言い出した。
母親の猛反対もあったが親父の一言で進学の許可は降りた……。
この学校は、なかなかの進学校だ。
珠子は置いていかれないように授業中いつも真面目にノートをとっている。
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