恋去る

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「……どういうこと?」 「昼間に、智司の学校の子が訪ねて来たのよ。その子は私にあなたたちを撮影した写真を見せたわ。」 やっと、手に入れたと思ったのに。 珠子……。 「異母とはいえあなたたち二人は兄妹なのよ!」 ズキッ そんなこと知ってるよ。 「こんなこと、他人に知られちゃったんだから、生きていけないでしょ。お母さんが、守ってあげる。この子も智司もみんなお母さんが……!」 狂ってる。 俺も珠子も…… 「殺してあげる!」 この人も……。 ドンッ 「きゃあ!」 「珠子、外に!外に出てろ!」 固まる珠子を突き飛ばし玄関へ急がせる。 「やだ!お兄ちゃんも!」 珠子が差し出した手を俺は取れないんだ。 「邪魔をしないで!智司!この子を殺したらあなたもすぐにっ!」
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