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「何してんだよ!智司!妹ちゃんも!」
「き、北野くん……?どうしてっ……」
北野……
お前どこに行ってたんだ?
早退なんかして、どこに行ってたんだ?
「北野……お前は俺の友だちだよな?」
「なに言ってんだよ!当たり前だろ!早くその包丁離してお前も外に!」
北野は……やっぱり……
グッ
母親の身体から包丁を抜いて、自分自身に向ける。
「お兄ちゃん!!」
「智司っ!やめろよ!」
俺がいなければ、珠子も母さんも苦しまずに済んだ。
グッ
赤い血が刺したお腹から溢れてくる。
「おに……おにいちゃ……」
泣くなよ。
珠子。
お前を不幸にする災いは全て排除するんだ。
例えそれが俺自身でも。
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