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どれくらい時間が経っただろう。
重なり合う母さんと俺。
俺の耳元には、ちょうど母さんの心臓が。
僅かに、ドクッドクッと流れる血液の音が聞こえる。
母さん、まだ生きてるんだ。
ピーポーピーポー
救急車のサイレンが近くに聞こえる。
バタバタバタ
「こっちです!」
北野戻ってきたのか…………
北野に誘導されて救急隊員が家に駆け込んでくる。
「智司っ!!」
救急隊員よりも先にリビングに飛び込んできた北野。
「はぁはぁ……ま、まだ、死んでないな?」
汗を流して、息を切らしながら俺の顔を覗き込む北野。
救急隊員は意識のない母さんを先に担架に乗せリビングを出ていった。
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