276人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、すみません……少し体調が悪くて……」
女の子は恥ずかしそうにそう答えて、立ち上がろうとする。
が、またよろける。
「うわ、危ない!ほんと大丈夫?親に迎えに来てもらったら?携帯ある?なかったら、番号いってくれたら俺がかけるよ?」
さすがに、一人で帰れそうにないよな。
「家には……えっと、あ、誰もいなくて」
あ、って。
嘘だよな。
今、思いついた嘘だよな。
仕方ない。
「じゃあ、家まで送るよ。ちょっと、ごめんね」
「え?」
グイッ
女の子の腕を俺の肩にかける。
「よっ、と」
そして、そのまま女の子を背負って立ち上がる。
「きゃあ」
きゃあ、って。
女の子だな。
俺の方が照れるんだけど。
「お、お、降ろしてください!私、歩けますから!」
最初のコメントを投稿しよう!