恋、未だ。

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後ろで暴れる女の子。 だけど、それは俺の腕を離す程の力はない。 「送るだけだよ」 さすがに、弱ってる女の子に手なんか出さない。 「家どこ?」 「いや、ほんとに一人で帰れますから」 ムッ 頑固だな。 女の子は素直に甘えてればいいのに。 「言わないなら、このままさらっていくけど?」 「へ?」 嘘だけど。 そのまま、歩き出した俺に女の子は慌てる。 「言います!言いますから!」 たくっ 最初から素直に…… 止めた足元に視線を落とした瞬間。 「おい、離せ」 前方から声が聞こえて、顔を上げる。 「あ」 鷹宮じゃん。 「お兄ちゃん!」 !? お兄ちゃん!? 驚きのあまり、女の子を落としそうになる。
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