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「おーい!チアキー!セツハー!」
「お前ら早いってー!」
後ろから誰かが走ってきた。
「おせぇよ。ヨシキ!サクヤ!」
ヨシキとサクヤだった。
彼らもチアキとセツハ、ユリと同じマユの部下である。
「しょうがないだろ。人がいっぱいで捜しにくかったんだから。」
「分かった分かった。悪かったよ…。」
チアキがばつが悪そうな顔で言った。
「ナイスバディなお姉さんだと思ったら、中年のおばさんだった…。」
「うわ、それ最悪…。」
セツハがさっきあった事を話すと、ヨシキが顔を歪めて言った。
「だーっ!さっきのおばさんのせいでテンション下がった!くそー!今度こそナイスバディなお姉さんを探してやるーっ!」
「チアキー!俺も探すぞー!」
セツハとチアキは海に向かって叫んでいた。
「はぁ…。」
その様子を見ていたマユが溜め息をついた。
「もう。何てバカなんだろ、あいつら…。」
「全くだ…。」
フワリ…。
「!」
溜め息混じりの声が聞こえ、マユに何かが掛かった。
「総帥!」
声の正体は総帥・ハルカで、マユに掛かったものは半袖のパーカーだった。
「総帥…水着姿も素敵です…。」
ハルカもマユと同じ黒を基調とした水着だった。
「お前の方が素敵だ…。」
「総帥の方が素敵です…。しかし、このパーカーは?」
マユはパーカーを握った。
「羽織っておけ。」
「しかし…。」
「お前の水着姿を野蛮人が見ている…。あまり見せつけるな…。虫除けのために羽織っておけ。」
虫除けって…。
「はい。」
マユは素直に従った。
「お前は何か羽織るものは持っているのか?」
今度はユリに声を掛けた。
「え?あ、はい!持ってます!」
「羽織っておけ。」
「はい。」
ユリは羽織るものをとりに行った。
「総帥。あいつら、どうします?」
サクヤはまだ叫んでいる二人に指差して言った。
「知らん。」
ハルカはきっぱり答えた。
「……。」
サクヤは固まった。
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