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一方、パラソルの影…。
「涼しいですか?総帥…。」
「ああ…。」
マユは横になっているハルカにうちわで風を送っている。
「みんな楽しそうですね…。」
「そうだな…。」
マユが部下達の様子を見つめて言い、ハルカは答えた。
「フフッ。ヨシキとサクヤが埋められてる。」
マユは砂に埋められている二人を見て笑った。
「バカな姿だな…。」
ハルカも哀れだな、という気持ちで笑った。
「さて。」
ハルカが立ち上がった。
「総帥?どちらへ?」
「トイレだ。泳ぎたかったら泳いでいいんだぞ。」
「え?」
マユは首を傾げた。
「お前、さっきから海を見ていた。泳ぎたかったんだろ?」
「あ…。」
図星だった。
マユは海で泳ぎだい、という気持ちでいっぱいだった。
「俺も泳ぐ。少し波が高くなっているから、あまり泳げないかもな…。少しでも泳いでこい。」
ハルカはマユの頭を撫でた。
「では、お言葉に甘えて。」
マユはシュノーケルを取り出した。
ハルカはフッと笑い、トイレに行った。
マユが泳ぐ準備をしていると、ユリが来た。
「あ、高嶺様。泳ぐのですか?」
「うん。少しね。」
「波が少し高くなってますよ。大丈夫ですか?」
ユリが心配そうに言った。
「大丈夫。軽くシュノーケリング程度だから。タオルの準備よろしくね。」
「はい。」
マユはユリにそう言って海に入った。
「あれ?高嶺は?総帥は?」
セツハとチアキ、そして罰ゲームから解放されたヨシキとサクヤが来た。
「総帥様は分からないけど、高嶺様は海へ泳ぎに行ったよ。」
「ふぅーん…。」
そう答えたチアキは海を見た。
ユリはマユが脱いでいったパーカーを畳んでいた。
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