あらすじと感想

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お茶を飲んでいた夫婦を突然訪れた女は、しばらく歓談した後に、「自分はココの娘である」と打ち明ける。かつて幼い娘が目の前で電車にはねられて死ぬのを目の当たりにした夫婦は「冗談でもそんな話は止めて欲しい」と訴えるが、女の告白はエスカレートする。女はかつて貧しくマッチの灯りをともしスカート中を見せて商売をしていた過去があり、それを教えたのが自分の父である夫だと告げる。そんな記憶もない夫は面喰いただただ驚き、娘と名乗る女を返そうとするが、外は雪で気の毒だからと妻が引きとめる。さらに話して行くうちに妻は「育っていたらちょうど貴方ぐらいの歳だ」と、女に娘として振る舞う事を認めるかのような発言をすると、今度は女が「実は弟を外に待たせていて両親が自分を娘だと認めてくれたら呼ぶ事になっていたんです。外は寒いので入れてあげても良いでしょうか?」と訴える。すると夫婦がおろおろしている間に弟と名乗る男が居間に入ってきて両親にあいさつをしてしまう。息子を持った覚えのない夫婦は拒絶するが、両親思いだった弟の思い出話や父親に辛く当られたと言う思い出話を聞かされ、折檻の際につけられた痣を見せられるに至り「分かった、きっと私たちが間違っていたんだろう。もしかしたら娘だと思っていた女の子は自分の娘とは別の女の子だったかも知れない!」と自らの記憶を否定し、姉と弟の語るストーリーを受け入れてしまう(ここいら辺では観客席から笑い声もチラホラ)。さらに弟を語る男は、自分の子ども2人をいつの間にか別の部屋に寝かしてしまい、それを聞いた夫婦はついに怒りを露わにする。しかし、疲れ果てた姉が眠りにつき、弟が姉と子どもたちをかばうのを見るにつけ、夫婦は仕方なく彼らのなすがままに任せてしまう。
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