the 1st / Ⅰ

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 「久しぶりにスレイヴと同意見だ。軍警沙汰にはしてないよ。あ、でも地面にクレーター作ったスレイヴ君は器物損壊で逮捕されるべきかと」    白髪の男=ミカド・皇(スメラギ)――アジア系/墨汁を流し込んだかのような漆黒の瞳/それとは対極の白髪/日本語で皇帝と読める名前。  腰に漆塗りの鞘/手にはギネス認定を受ける最強の刃物。  「はぁ?“標的”をおっかけてる時になんかの柱を一刀両断した奴は誰だっけなぁー」  黒髪の男=スレイヴ・スローター――アメリカ系/短いボサボサの黒い髪/刃物の様な鉛色の目/着こんだダッフルコート/両手が肩から指先に掛けて精巧な義手/50口径の射撃の衝撃に動じない/衝撃を吸収する代物。    『高タンパクが撒き散らされるならまだいいさ。でもね、君の場合、50口径の弾丸が撒き散らされるんだからたまったもんじゃないんだよ。皇(スメラギ)、君もだ』  黒髪に合わせたジョークを交える市長と呼ばれる男。荒くれ者の扱い方を知っている者の言動。  「市長ともあろう人間が、スレイヴみたいに品のない下ネタ言ってたら、この都市の未来が心配だ」  ミカド=反省の色――皆無。  ミカドを睨むスレイヴ「あぁん? どういうことだいムッツリ野郎」チンピラの如く。    市長と呼ばれる男――呆れ声  『……はぁ、分かった。君たちがそこまでそこを離れたくないというのであれば仕方ない。その階層につながるパイプラインを今からすべてロックしよう』
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