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嵐の如く去って行ったバケモノ。
一瞬、幻か幻覚にすら思える非現実感。
『ねぇ』唐突――スピーカーからの声に驚く男。
離れかけた現実感が戻る。
『良いリアクションをする犯罪者だね、君。まぁ、ミカドの言う通りさ、売るところが悪かった』
陽気な声――バケモノ共の会話では、“市長”と呼ばれていた人間。
男――声を振り絞って叫ぶ/問う
「あいつらは何者なんだ!あんな馬鹿デケェ拳銃を連発するわ、あんな長い刃物を振り回すわ!まるでバケモノじゃねぇか!」もはや絶叫。
『ばけものか。確かにそうだ』
スピーカーから漏れる笑い声。どうやら相手は本気で笑っているよう。
それが収まり、相変わらず陽気だが、少し真面目な声が告げる
『彼らはさしずめ執行官(エクスキューショナー)だ。軍警が至る所で手の届かない犯罪者に天誅を下す裁きの代行人なのさ。そう言うと聞こえは良いだろう?』
相変わらず陽気なスピーカーからの声が告げた答え。
だがそれは男が求めたものでは毛頭ない
「そんなことを聞いてるんじゃねぇよ!あの力はなんなんだ!」
絶叫から罵声へ。
『ふぅーむ。そう来たか。まぁ、もう会わないし会えないだろうから教えてあげたいんだけどねぇ。機密事項だから、仕方ないね。でも、一言は言える。もしかしたら、君にもああいう風になるチャンスがあるかもしれないよ』
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