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しかし、亜梨子はそれに堪えて
「申し訳ありませんが、そういった場所での食事は、あまり好きではありませんので」
と、軽く会釈してから立ち去ろうとする。
「亜梨子さぁん」
「まだ何か?」
怒りのこめた笑顔で振り向く。
「そういえば、さっき下品な連中が、亜梨子さんに言い寄ったと聞きましたぁ。あのような下品な連中と一緒にいるのは、やめたほうがいいですよぉ。君には僕のような上品な男が似合うのだから」
政一の言葉に、亜梨子は一息ついてから、ニッコリと笑い
「何度も申しあげておりますが、どなたともお付き合いするつもりはございません。千川君とも剣崎君とも、もちろん楠本君ともです」
ぺこりと頭を下げてから亜梨子は、その場を立ち去る。
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