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昼休み、思い思いに昼食を済ませ、男子はグラウンドでサッカーしたり、教室でバカ騒ぎしたり、女子は木陰で本を読んだり話し込んだり、それぞれの昼休みを楽しんでいる。
そこに…バラの香りが教室中に広がった。
「アリスよアリス、どうして君はアリスなんだい?」
背後の取り巻きにバラを背負わせ、彼はうっとりとした表情で言う。
「は?」
自分の席でまどろんでいた久瀬亜梨子(クゼアリス)は、顔を引き攣らせて固まってしまう。
「ああ、君はどうしてそんなに美しいのかい?」
彼…千川成男は軽く髪をかきあげた。
そして、背後の取り巻きからバラを一輪受け取り
「このバラより君は美しい…」
軽く香りを嗅いでから
【サッ】
と、亜梨子の前に差し出す。
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