41人が本棚に入れています
本棚に追加
「ま、待ちたまえ」
そんな成男の声も完全に無視した。
廊下を、少しダルそうに歩いて行く。だが、それでも彼女には優美と言う言葉がよく似合っている。
「あ、亜梨子様よ」
廊下で話し込んでいた女生徒は、友達に耳打ちするように言う。
「きゃあ、亜梨子様。今日もかっこいい」
「美人で成績優秀、運動神経は抜群、性格はクール、それでもってお父様は大学教授。天は二物を与えないってよく言うけど、二物どころじゃないわよね。パーフェクトよパーフェクト!」
「この前も、絡まれていた女子生徒を助けたって聞いたわ」
「何、その子?すごいラッキーじゃん」
「あぁん、もう!亜梨子様に助けられたい!」
興奮気味に話す女生徒は、亜梨子は
「はぁ…」
うんざりとした様子でため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!