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「お前の為じゃったら、この辺りの土地を全部やってもいいと言ってんじゃ!」
拳を亜梨子の前で握る。
亜梨子は、動じもせずに一息ついて
「ですから、それがなんだと言うんです?」
と、無表情で言う。
「俺と付き合えば、何でも好きなもん与えてやろうと言ってんじゃあ!」
高圧的な言葉や態度に、亜梨子は毎度の事だが呆れてしまう。
亜梨子は大きく息を吐いてから
「私は別に贅沢な暮しをしたいと訳ではありません。それに、まずは女性に対する礼儀を覚えてきてください」
後半部分は、声のトーンが下がり、まるで氷の刃のように冷たい。
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