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大倉は、事故に遭った。
あの日も他愛もないケンカをして、いつものように俺は家を飛び出した。
そして大倉はいつだって俺を追いかけて、抱き締めて家に帰ろう、とあの甘い声で囁くんだ。
けど、あの日は、違った。
俺が走りつづけて少したった頃。
キキッと車のタイヤの擦れる嫌な音が耳を裂いた。
嫌な予感が、した。
「大倉…?」
嫌な予感程当たるっていうのは本当で。
俺の恋人は、
真っ赤に染まっていた。
。
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