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「お、くら…?」
大倉は、そのまま、瞳を開いた。
「りょ、ちゃん…?」
「おおくら…!大倉っ!…」
涙が一気に溢れでて止まらない。
大倉が…目を覚ました。
「亮ちゃん、どうしたん?そんなに泣いて…」
そういって俺の頭を優しく撫でるから。
「お、まえがっ…事故でっ、俺のせいで、っ、し、ぬとかっ…思って、」
「…うん、」
「おれ、嫌われてもいいからっ、助かって、欲しくて、っ」
言ってることがめちゃくちゃで、顔もぐちゃぐちゃで。
それなのに、大倉は俺の大好きな優しい瞳で見つめてくれる。
「俺が、亮ちゃん嫌いになるわけ、ないやん。そんな悲しいこと言わんといてや、な?」
「ただ、よしぃっ…!」
名前を呼んだら嬉しそうに笑う大倉が愛しくて。
嫌われてもいい、なんて思ってたのに、
また、愛してほしい
なんて思った。
ねえ、嫌いになるなら
僕を殺して
君に愛されない僕なんか
いらない
どこにも、いないよ。
end
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