8人が本棚に入れています
本棚に追加
九州本土の真下、鹿児島県と沖縄県のちょうど中間にある孤高の島、神影島。
島の円周148km、島民わずか6000人の小さな島。
島の表面積のうちほぼ四分の三が森に覆われ、人々は標高の低い土地を開拓し、盆地や丘陵地に集落を作った。
日本のものとは思えないくらいの大きく荘厳なる森に他では見られない植物達、まるでその一つ一つが意志を持って生きているかのようなその姿に、人々は魅了されまた畏怖する。
恐れから人々は山に手を入れることなく、海岸沿いに街を作り居住を森の外へ移し、田舎ながらも適度に近代的でゆったりと暮らしを楽しんでいた。
現代では珍しい未開の地であるこの島への学術的興味を示す研究者も多く、また十五年前のある発見のおかげで観光地としても有名になっている。
―――ここがこの物語の舞台。
そして、美しい森と謎を持つこの島に、この話の主人公である少女が生まれたのも15年前のことだった。
最初のコメントを投稿しよう!