第一話『戦士の反乱』

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鎌取玄造(かまとりげんぞう)は無表情で手術台の前に立っていた。 その部屋は清潔で広いが、明かりが小さくて薄暗いかった。 壁や天井には様々な機械が並べられ、設置されている。 そして部屋の中央に、手術台は置かれていた。 鎌取の他に何人か白衣姿の男達がいたが、彼等は部屋の中で忙しく動き回っている。 一言も声を上げず、たまに目配せをするくらいで、ただ淡々と作業を熟していた。 手術台の上には青年が一人寝かされていた。 細身な方だが身体付きは良く、顔立ちも割と整っていて、見るからに若々しい好青年だ。 衣服を身につけていなかったが、左手首にのみ装飾品が付いていた。 幅の広いブレスレットだった。 至ってシンプルなデザインだ。 銀色一色で模様も何もない。 見た限りただの金属の輪のようだった。 鎌取はそんな青年を覗き込むように眺めていた。 頬が痩せこけて色白であるその顔は、生きている人間のそれには見えず、まるで骸骨のようであった。 黄ばんだ白衣姿が更に不気味に映った。 「博士……」 白衣の男の一人が鎌取に話し掛けた。 顔は白く大きなマスクで覆われていてほとんど見えずにいた。 「うむ。では始めるか。」 鎌取はそう言うと、右手を高く挙げた。 すると、天井にある赤いランプが点灯し、部屋が赤い光で染められた。
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