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その夜、コンコンッと誰かが部屋をノックをしてきたので、昂平は宿題の手を止め、返事をした。
「………」
扉の開けたのはパジャマ姿の神夜だった。心拍数ちょっと上昇。
「ん?どうしたのこんな時間に」
昂平の問いに神夜は答えもせずに部屋に入って来て、勉強机の椅子に座る昂平の隣まで来た。
クルリと座椅子を回し神夜に身体を向ける。
後ろ手にしながらもじもじ、顔も赤くしこっちを見たり下を見たり。
上目遣いが更に昂平の脈拍をBeatさせる。可愛い。
「………ん!」
決意し、とうとう行動に移した神夜は後ろ手に持っていた物を昂平の胸元に押しつけた。
そして逃げるように部屋から出て行こうとしたが、出たところで壁に隠れ、こちらに向き直った。
「しょ、しょうがないからそれ!あげるわよ!か、感謝しなさいよね!もったいないし、特別なんだからね!」
恥ずかしそうに顔だけ出し、言いたい事だけを言い、最後にバカ!と言い残し、神夜はバタンッと扉を閉めた。
「……ふっ」
笑みを浮かべる。
実際のところ両手を後ろに回しているので、もしかするとを昂平は期待していた。
ただ、そのSPEEDYさ、嵐のような神夜が面白かった。
ありがとうを言う暇もなかった、明日言おう。
ガサゴソとラッピングを取り外し、1つ口に運ぶ。
「……んめ」
あのツンデレ姫も渡すなら恥ずかしがらなければいいのに、なんて思う。
――――
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