運命は残酷だとは言うけれど、

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たかるハエを目印にそれの前まで歩く。 ――おいおい…。弔いはしてやろうとは思ったけどよ……。 そこにいたのは小さな子供と腐りかけた屍。 やせ細り、焦点は合っておらず、ただ屍の傍に横たわっている。 「おい、ガキ。何やってんだ」 子供の焦点がマカロニに合わさる。 次の瞬間。 「ああああああああああああああああああああああああああぁあああぁぁぁあああああああああああああぁあぁあああああああああぁぁああぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 子供は凄まじい形相でマカロニを睨んだかと思うと獣の如くマカロニに向かって吠えたて、拳を放った。 渾身の一撃と言っても、栄養失調で死にかけの子供の放つものである。 余りにも力ない打撃を難なくかわし、潰さないように気絶させる。 「なんだ、こいつ………」 腐臭と排泄物のないまぜになったような酷い臭いをさせる子供を抱き上げて、死体に目をやる。「おと……しゃ……」 子供の呻きが耳に入る。 お父さん。 あの屍のことだろうか。 だとしたらこのバンクも、ハンマーも形見となるのだろうか。 無残に割られたバンクを丁寧にかき集めて、袋の中に入れる。 元通りというわけにはいかないだろうが、なんとか使える形にはなるだろう。 何を芯に使っているのか、無数の細かい傷と一筋の亀裂の入ったハンマーは持ち上げることすら適わない。 あの屍の物だったのだろうか。 だとしたらなんという馬鹿力だ。 「ハンマーは、あきらめてくれよ」 引っ張ることすら適わないこの武器は、持って行かれない。 元来た道を引き返して、マカロニは町へ急いだ。
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