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―9時:屋台―
俺は、篠原との約束の場所、屋台に着いた。
「沢田くん、こっちこっち」
「…じーさん生きてたんスね」
「失礼な!わしゃあいつでも元気じゃ!!」
「ハハハッ、お酒もらえる?」
「おお?兄ちゃんもそんな年かい」
「ああ」
「ほらよ」
「サンキュー」
「…仲良しだね」
「…で?話ししに来たんだけど…」
「あぁ、久美子ちゃんには伝えてくれた?」
「はい。で、俺に返事くれました」
「…やっぱりね」
「え?」
「好きって言われたんだろ?」
「…あぁ」
「君に連絡する前にこっちに電話が来てたんだよ。“一緒には行けない”ってね」
「……そうなんですか」
「まぁ…、前にフラれてるしね…」
「…あぁ、フンドシ」
「君の入れ知恵だって京さんが言ってたよ…」
「ああ…」
沈黙して、篠原が急に笑いだして肩をバンバン叩かれた。
「ってぇ!なんだよ!!」
「ハハハッ、は~ぁ、久美子ちゃんのこと…よろしくね」
「…言われなくても」
「よし、今日はとことん飲もう!」
「あぁ」
俺は篠原と明け方まで飲み明かした。
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