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葵:
ああっ、だ、誰か来たっ!
手塚:
…すまん、遅れてしまったようだな。
葵:
て、手塚さん!来てくれてありがとうございますっ!
(正直、手塚さんもアレだけど、2人きりよりはまだ…)
木手:
おやおや、規律に厳しい手塚クンが遅刻ですか?
手塚:
…開始時間前に来たつもりだが?
―ガチャリ(ドアが開く音)
井上:
いや~、ゴメンゴメン!実はウチの芝って編集者の手違いでね、人によって集合時間をバラバラに伝えてしまったようなんだ。後30分以内には全員そろうはずだから、始めながら待つとしよう。さあ、手塚君、座って。
手塚:
失礼します。
井上:
じゃあ手塚君、早速なんだけど比嘉中戦の思い出を話してもらえるかな。
手塚:
…かなりの技術を持った学校だった事は確かです。緒戦で"百錬自得の極み"を出す事になろうとは、思ってもいませんでした。
井上:
なるほど。確かに比嘉はダークホースと言われ、試合前は優勝の大本命、という感じではなかったものね。しかし"百錬自得の極み"、あれはもはや人智を超えた境地だね。あの最中はどんな気分?
手塚:
…あまりよく覚えてはいません。ただ、試合中だというのにひどく穏やかな気分です。
葵:
あっそれ、僕にも分かります!僕も負けた試合の事なんてよく覚えていませんから!
井上:
い…いや、葵君、そこはちゃんと反省材料として覚えておいた方がいいんじゃないかな…。
―…バラバラバラバラバラ…
井上:
あれ?雷かな?何の音だろう。
葵:
ああっ!へ、ヘリコプターがこっちへ向かってやって来ますよ!
―…バラバラバラバラ…ガチャリ
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