ソフトクリーム

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入口で受け取ったパーク内の地図を見ながら、アイスを頬張る。 時刻はちょうど12時を過ぎたところだった。 燦々と照りつける夏の太陽が、ソフトクリームを溶かしていく。 コーンを伝う滴をペロリと舐めた。 そして前を向くとみさきちゃんもまさに同じことをしていた。 目が合った瞬間、急に照れくさくなって頬が赤らんでいくのがわかった。 「はやく食べないと溶けちゃうね」 そうだね、と答えて微笑んだ。 バス停で待ち合わせときのような緊張はすっかりなくなっていた。 幸せだな、唐突に思った。 言ってよかったな、と。
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