しあわせのカタチ

観覧車

四分の一ほど廻ったところで、突然ゴンドラががくんと揺れた。

そしてそのままぴったりと停止して動かなくなった。

ぼくは金網の張り巡らされた小窓から、地上の様子を伺った。
みさきちゃんも同様だった。

乗り場の係員たちがなにやら慌しく動き回っているのが目に入った。

「どうしたんだろう。停電かな」

心配そうに下を見遣りながらみさきちゃんが言った。

ぼくは偶然で不運なアクシデントに巻き込まれても、取り乱したりはせず、努めて元気な声色で
「大丈夫だよ」と答えた。すぐに動き出すと思うから。