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「はやく再開してほしいけど、これも一つの思い出だよね」
ぼくはみさきちゃんとの初めてのデートを残念な思い出にしたくなかったので、なんとか場を盛りたてようと、不運でもそれをポジティブに切り替えて考えて伝えた。
みさきちゃんも初めの内は「それもそうだね」と応じてくれていたが、10分、20分と一向に観覧車は動き出さなかったので段々と表情が曇っていった。
そしてやがて沈黙になった。
係員は乗り場近くの控え室から電話をかけたり、他の場所からやってきた従業員に身振り手振りでなにかを説明して、またその従業員がどこかへ走って行ったりと、とにかく大忙しといった感じだった。
「現在、原因を究明中です。もうしばらくお待ちください」
先ほどから同じアナウンスばかりが流れている。
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