しあわせのカタチ

ネズミくん

乗り場にチケットを買いに行く間、ぼくの内心は穏やかではなかった。

ぼくは、いわゆる絶叫系マシンと呼ばれるアトラクションが好きではないクチだったからだ。

けれどここにはぼくが心底怯えなければならないほどの怖いジェットコースターなない。

これから乗ろうとしているネズミ型コースターも同じように子ども向けだから大丈夫だ。

だってほら、あんなに小さな子だって乗ってるんだから。

チケットを買い終えて、乗り場の階段から頭上を見上げるとお父さんと同乗した小学生くらいの男の子がキャアキャアと楽しそうに叫んでいる。

安心していいと自分に強く言い聞かせながら階段を昇っていく。

係員にチケットを二枚渡すと、ロープを外して奥へと通してくれた。