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「わあ!かわいい」
色とりどりのネズミくんたちを見てみさきちゃんが目を輝かせた。
「こちらへどうぞ」
係員が手の平で案内したのは赤色のネズミ号だった。
(これ、狭くないか?)
乗り込む前に気付けた。
ネズミ号はツーシートだ。
二人乗り専用だ。
そして、ぼくたちには窮屈な設計だ。
先にみさきちゃんが乗って、続いてぼく。
体をぶつけないようにゆっくりと腰を下ろしたが、だめだった。
まだ手も握ってないというのに、太ももから肩にかけて体がぴったりとくっついている。
やってきた係員は事務的な動作で安全バーの確認を終えると声をあげた。
「出発しまーす」
ネズミ号は勢いよく飛び出していった。
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