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思いのほか急発進だったせいで背中が座席に押しつけられた。
ネズミ号は傾斜の高い登り坂をみるみる間に上昇していく。
すぐに頂上にたどり着いた。
そこからはもう、目の回る速さだった。
ほぼ直角と言っていいようなきついカーブをネズミ号は減速なしで突き進んでいった。
その度に強い遠心力を受けて、ぼくたちは右に左に大きく揺さぶられた。
ぼくたちの体は密着したままだった。
いくつもの勾配とカーブを走り抜ける間、みさきちゃん絶えず「わあ!」と大声を出した。
ぼくも叫んだ。
恥ずかしいなんて思っている余裕はなかった。
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