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学校へ登校している途中、和馬は溜息をついた。結局、昨日の夜は全く眠ることができなかった。
一体あの夢はなんだったんだろうか。妙にリアルな夢だった。今でもあの感覚的な怖さを、鮮明に思い出せる。
何か嫌な予感がする。
和馬はそう思ったが、すぐに振り払った。
この肌を焼くような暑さで、全てマイナス思考になっているに違いない。
「そんなに冴えない顔してどうしたんだよ」
隣を歩く、信明が和馬にそう尋ねた。
「ただ昨日の夜、変な夢を見ただけ」
「ふーん。どんな夢?」
和馬は一瞬答えるのを躊躇った。躊躇う理由は自分でも分からなかったのだが、どうしても話したくなかった。話すと何かが起こりそうな気がする。
「怖い夢」
だから曖昧に答えた。
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