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幼いころから人と関わることが少なかった僕は、ずっと本を読んで過ごしていた。
本は好きだ。コミュニケーションをとる必要もないし、違う世界を味わうことができる。
まるでその世界にいるような、そんな感覚をもたらしてくれる。
その読書のおかげか、国語には強かったため、僕はこの学校の数多く存在する科の中の国文科に入学した。
でも、人付き合いの仕方がわからない僕がいつも独りなのは、幼いころから変わらなかった。
別に人に嫌われる性格をしているわけじゃないと思う。
それなりに話しかけてくれる人もいる。
でも、ただ話すだけ。それだけだ。
人付き合いが苦手で、人と深く関わるのは避けたいだけかもしれない。
人と関わると”見える”ということがバレてしまうかもしれない。
この学園にはきっと僕みたいな人がいるんだろうけど、まだ見たことがないから怖いだけなんだ。
この学園の生徒はみんな優しい。
僕自身びっくりするような人にも何度か出会ったが、周りには友達がいた。
怖がる必要なんてないのかもしれない。
でも、もしも、友達になって、このことを打ち明けたときに嫌われたら?
そんなことを考えたりするから友達といえる人がつくれないんだろう。
そんな僕は部活には入らず、学校から家が近いため寮にも入らず、人との付き合いは全くといってもいいほどなかった。
まぁ、人付き合いが悪くなった理由は、他にもあるのだけれど、その理由には必ずこの紅い瞳が関係した。
そう、あんなことさえ起こらなければ――
。
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