日常

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僕には中学二年まで、ずっと一緒にいてくれる女の子の友達がいた。 この紅い瞳を怖がらず、幽霊の見える僕を怖がらず、いつも独りの僕に話しかけてくれる彼女は、僕の唯一の心の支えだった。 彼女さえいればよかった。 たとえ友達がいなくても、みんなに不気味だと言われてもなんとも思わなかった。 彼女だけが僕の味方だった。 彼女だけが僕を守ってくれた。 彼女がいた世界だけがいつも輝いていたんだ。 そう……それは僕の初恋だった。 僕にとっては彼女との出会いは何にも代え難いものだった。 でも、彼女は僕と関わったことでたくさんのものを失ってしまった。。 彼女は僕の体質のせいで狂い始めた。 彼女の全てを僕が奪ってしまった。 この体質が無ければ彼女に出会えなかった。 でも、この体質のせいで彼女の人生を狂わせてしまった。 いつも彼女が守ってくれたから、いつか彼女を守ることが僕の夢だった。 彼女と笑いあって過ごす日々が欲しかっただけだった。 こんな体質さえ無ければ……… あんなことは起こらなかったんだろう。 きっと。 いや、ただ僕がそう思いたいだけだ。 原因はわからなかった。 ただ最後に彼女は僕のせいだといった。 だから、あの事件は僕のせいだったんだ。 。
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