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何か天王寺が可哀想に見えてきた。
悪いことをしちゃったのかなと反省したが、そもそもなぜ黒いマントの男を追っているのだろうか。
それを考えていなかった。
すると、俺の目の前に黒いマントの男が通る。
「優!あれ!」
俺はすぐさまその男を追いかける。
天王寺は声を張り上げる。
「待ちなさい!あなたのその手に持っている物はエンブレムではないの!?」
俺は、天王寺が何を言っているのか分からなかったが、その場の空気を呼んで今は質問しないことにした。
黒いマントの男は振りかえって遂に口を開いた。
「・・・エンブレムを知っているのか?」
「いいからそれを渡しなさい!」
天王寺は男の質問にも答えず、男に突っ込んだ。
男は苦笑いし、いつの間にか消えたと思ったら、また現れた。瞬間移動というやつだろうか。一瞬目を疑った。
「やっぱり…それはエンブレムなのね。」
「お前達に用事はないが、少し興味があるな。よし、名前だけ教えておこう。私は「フィル、フィル・クライスだ。」
そういった瞬間、男は手をかざした。
その手からは大きな炎が出てきた。
夢と同じだ。
その炎は俺たちを攻撃する炎ではなく、自らを隠す炎であった。
炎が消えた時、男はもういなくなっていた。
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