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8月27日
今日は土曜日。
始業式の次の日が土曜日ってのはたまにあることだが、そうするなら月曜日を始業式にすれという話である。
天王寺はもう、レストラン「時人」の前で待っていた。
「遅いわよ、入るよ。」
結構前から待っていたようだ。そんなにエンブレムについて話したいのだろうか。
「で、昨日の質問の続きだ。お前は自分の魔法が分かってるのか?」
天王寺は答える。
「うん、私の友達に夢音小鳥っていう予言者?にね。占ってもらったの。」
俺はびっくりした。
「おいおい、夢音小鳥って俺のクラスメイトじゃねえか。」
天王寺は少しビックリしたが、それほどびっくりしていなかった。
「そういえばあなたも練馬高校だったわね。」
なるほど、話の整理がついた。
さっき練馬高校の生徒が足がはやいと分かっていたのは、夢音に聞いたのか。
「確かにあいつの予言は正しいかもしれないが、あいつが魔法とかとかかわってるとはな。。。」
女は大笑いした。
「あら?小鳥ちゃんは変な質問をしても真面目に占ってくれるわよ。私はこう言ったの。″私が使える魔法は何?″ってね。」
「本当に訳が分からないなお前も・・・」
論点がずれてしまったので、俺は再び天王寺に質問した。
すると天王寺が真面目な顔になった。
「私は、回復魔法が使えるんだって。人の傷を癒す魔法。」
至って普通な魔法だったので安心した。
でもそれを手に入れて何に使うのだろうか。
本当に不思議な子だ。
「そうだ、小鳥ちゃんのところに行こうよ!」
「夢音のところに?まぁいいけど。家分からねえぞ。」
「私わかるから大丈夫。」
俺達は夢音のところに行くことにした。
「そういえば、あなた名前聞いてなかったわね。」
「あぁ、悪い、俺は相馬淳也だ。」
「変な名前ね。」
「・・・」
そんな愉快な話をしていたが、案外すぐに夢音の家についた。
夢音は家の外にいた。
「よう、夢音」
「小鳥ちゃんこんにちは。」
夢音は相変わらず不思議な子だ。頭のアンテナが少し気になる。
「占いでしょうか、何を隠そう、あなた達が聞きたいことは分かっています。魔法についてですね?」
さすが天才。予言者。これは世の中に出ても予言者として活躍していけるのではないだろうか。
「あぁ、さっそく占ってくれ。俺の使える魔法を。」
「では、占いましょう・・・」
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