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浩太、真美を不機嫌にさせ、教室内の空気をピリピリとさせた原因は先ほどの校内放送だ。
「緊急放送です。三年A組の生徒以外はただちに校舎から出てください」
流れたのは二限目が終わった時だった。
突然のことで唖然とする教室。守も言葉を失った。
「ちょっと、様子を見てくるからみんなはここで待機しているように」
同じ教室にいた教師はそう言い残して教室を後にした。
が、その教師は今になっても戻ってきていない。
浩太が声を上げたのは校内放送からしばらく時間が経ち、守が疑問に感じ始めたそんな時だった。
「ちょっと様子を見てくる」
守はクラスのみんなに告げるとドアへと向かった。
放送が流れた時は騒がしかった廊下も今は静まりかえっている。
「三年A組以外はこの学校からいなくなりました。今からゲームを始めます」
突如、教室内に響く重い声。
その声にドアへ向かう守の足も止まった。
「ゲーム?」
浩太が苛立ちと好奇心の両方をはらんだ声で呟く。
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