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宏樹くんと別れて2ヶ月 あっという間だった 世間はもう真夏で、落ち込んでばかりもいられないあたしは、久しぶりに友達8人で呑みに行った 「佐和、ちょっと前から様子オカシイけど…何かあった?」 騒がしいパーティ席で、耳元に声が降ってきた 慌てて耳を押さえて振り返った 「っ!!何っ…急にっ!!」 「…は?佐和こそ急に慌てて何?」 同じクラスの圭吾だった 「…圭吾か…急に後ろから…ビックリするじゃん」 「そう?」 圭吾の顔を見たら気が抜けた 久しぶりに皆と一緒なのに上の空だったから、変に思われたのかもしれない あまり好きじゃないビールを勢いよく流しこんだ 「佐和らしくないね、ビール」 圭吾があたしのジョッキを指して言った 「…いーのビールで」 ビールの泡を見てたら、宏樹くんを思い出した 「佐和最近元気ねーけど…彼氏と何かあった?」 何も知らない圭吾は、ニッコリ笑顔であたしを覗き込む 「…別れたわよ」 あたしは圭吾を、無意識に睨んだと思う
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