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「あ、ごめん…俺知らなかった…皆は知ってんの?」
圭吾に動揺が見えた
「美佳も仁美も知ってる、聞かれたから」
ビールが苦い
「そっ…」
圭吾がバツが悪そうな顔をしてた
「気にしないでよ!もう2ヶ月も前のことだしっ…もう……終わったから…」
あれから電話もメールもなくて、宏樹くんが毎日どうしてるのか解らない
自分から電話も出来ない
「終わったって…そんな泣きそうな顔して…言うなよ」
「…してない…どこがよ!」
顔を見せないまま、圭吾の肩を押し除けた
もう、終わったの?
ビールの泡を見ただけで思い出しちゃうのに…
まだこんなに宏樹くんが好きなのに
「ごめん、ちょっとトイレ」
皆に向かって作り笑いをした
「大丈夫?酔った?」
仁美が言う
「ちょっとね、すぐ戻るから」
踵を返した途端、自分の表情が崩れかかるのがわかった
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