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「はぁっ…」
狭いトイレに、自分の溜め息が充満する
今日は楽しく呑むって決めてたのに
宏樹くんの事ばっか思い出して、沈んで、最低
もっと楽しそうにしなきゃ
トイレでガッツポーズした途端、ドアをノックされた
「佐和、大丈夫?ごめん…俺のせいだよな…」
圭吾だ
ためらったけど、ドアを開ける
今日は楽しく呑むって決めたんだし
「何?トイレにまで来ないでよー」
「あ、悪りぃ」
圭吾の身体をかわし、席に戻った
美佳も仁美も出来上がってて、すんなり溶けこめた
いつも以上にお酒を呑んだ
呑んで、呑んで、
お店を変えてまた呑んで
少しずつ人が減っていった気がするんだけど、誰が居なくなったのかわからない
呑んで、呑ませて、また呑まされて、あたしは
寝てしまった
気持ち良くて、宏樹くんの夢を見た
優しい笑顔で抱き締めて、キスしてくれる夢
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