8/34

3392人が本棚に入れています
本棚に追加
/293ページ
あたしを抱き締めてる腕から、すり抜けた 見慣れた顔がそこにある 「…圭吾…?やだ…あたしっ…覚えてなぃんだけど…」 圭吾は小さく寝息を立てて、寝てる これって…そういう事だよね…絶対に… 自分に視線を落としてみると、何とかキャミソールだけは着てた…でもブラがなかった 下は… 恐る恐る布団の中を覗く 「はいてたっ…圭吾もパンツはいてる…」 よかった…でもどうしよう… これだけじゃ解んないし とりあえず圭吾、起こさなきゃ 「…圭吾?…ちょっと起きて?」 圭吾の肩を揺さぶった 「ねぇっ、圭吾っ!」 昨日の事、聞かなきゃって思うと、すごく力が入った 「んー…んっ?」 やっと目を開けた圭吾と、目が合った 「圭吾…どーゆう事なの?ここって圭吾の部屋?」 「…うん」 圭吾が目をそらした やっぱり… 「…最低…」 友達だと思ってたのに…男ってそれしか考えないの? やるせない 勢いよく布団を蹴飛ばし、ベッドから降りたあたしは、床に散らばった服を拾い集め、圭吾の視角に隠れた 「…何もしてないけど…俺」 思わぬ言葉だった
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3392人が本棚に入れています
本棚に追加