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あたしを抱き締めてる腕から、すり抜けた
見慣れた顔がそこにある
「…圭吾…?やだ…あたしっ…覚えてなぃんだけど…」
圭吾は小さく寝息を立てて、寝てる
これって…そういう事だよね…絶対に…
自分に視線を落としてみると、何とかキャミソールだけは着てた…でもブラがなかった
下は…
恐る恐る布団の中を覗く
「はいてたっ…圭吾もパンツはいてる…」
よかった…でもどうしよう…
これだけじゃ解んないし
とりあえず圭吾、起こさなきゃ
「…圭吾?…ちょっと起きて?」
圭吾の肩を揺さぶった
「ねぇっ、圭吾っ!」
昨日の事、聞かなきゃって思うと、すごく力が入った
「んー…んっ?」
やっと目を開けた圭吾と、目が合った
「圭吾…どーゆう事なの?ここって圭吾の部屋?」
「…うん」
圭吾が目をそらした
やっぱり…
「…最低…」
友達だと思ってたのに…男ってそれしか考えないの?
やるせない
勢いよく布団を蹴飛ばし、ベッドから降りたあたしは、床に散らばった服を拾い集め、圭吾の視角に隠れた
「…何もしてないけど…俺」
思わぬ言葉だった
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